石鹸の基礎知識

 

石鹸は誰もが日常的に利用している日用品で、店頭でもいろいろな種類が揃っています。特に最近では、天然成分を配合した肌に優しいものなどが注目され、そのためもあって手作りする人も増えているようです。

 

もともと石鹸は「高級脂肪酸の塩」の総称で、動植物の油脂からつくるのが工業的には一般的となっています。特に純石鹸と呼ぶ場合は、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムだけで、添加物を含まない石鹸となりますが、普通の製品には炭酸塩、香料などを加える場合が多くなっています。

 

ご存知の通り石鹸は界面活性剤であり、油などの汚れを洗浄できるのが特徴で、更には細菌の細胞膜やウイルスのエンベロープを破壊して病原体から身体を保護するのにも役立っています。

 

石鹸のスタンダードといえば固形石鹸ですが、水を溶媒として溶かして使用する場合が殆どとなります。(一部特殊な全く水を使わないでも洗浄効果がある石鹸もあります)石鹸の製法は油脂鹸化法、脂肪酸中和法、エステル鹸化法という3種類があります。

 

中でも脂肪酸中和法は皮膚にやさしい石鹸だとされており、しかも安定した品質で大量に造りやすいので、大規模メーカーの製造に使われています。これは原料油脂のグリセリンと分離した脂肪酸をアルカリで中和させているためです。

 

油脂鹸化法は、天然油脂(牛脂、ヤシ油、オリーブ油など)を水酸化ナトリウムで鹸化して、これに多量の食塩を加えて塩析させて分離する製法で、エステル鹸化法は、原料油脂にメチルアルコールを反応させて、脂肪酸メチルエステルをつくり、アルカリで鹸化する方法となります。